古書日記(2022/09)

「島田一男「0番線」」

島田一男は1946年デビューで、直ぐに人気作家となり多数の作品を発表した。

長編「0番線」は1962年に東都ミスステリ叢書の1冊として発表された。

この叢書では作者は既に「終着駅」「待避線」を発表しており3作目となる。

いずれも鉄道公安官シリーズで、特に班長・海堂次郎が中心となる。

鉄道公安官は国鉄職員だが、その敷地内でのみ捜査・訊問・逮捕の権限がある。

本書は作者あとがきと、カバーに作者近影と紹介があり、さらに中島河太郎の短文がある。

作者はこの頃には既に、多数の作品を色々なジャンルで発表しており、シリーズも多数あった。

鉄道公安官シリーズは鉄道ミステリーのジャンルを開いた。

(2022/09/01)

「日影丈吉「女の家」」

日影丈吉は、戦後の1949年にデビューしたが短編中心の時期もあり、短編の名手と呼ばれる事もある。

1959年頃から長編も発表を始めた、ジャンル的には多彩だ。

「女の家」は東都ミステリの1冊だが、「応家の人々」に続く2冊目だ。

「女の家」は東京の下町の家出の女主人のガス死が、自殺と他殺の面で調べられて行く。

本文と作者のおくがきがあり、カバーに作者の紹介と写真がある。

カバーに中島河太郎の短文がある。

通常は「あとがき」だが、本書では「おくがき」となっている、そこには作者の執筆に関する思いが深く書かれている。

事件を、「起」「承」「転」「結」の4章で、さらに複数人の視点で描いた作品だ。

(2022/09/11)

「新章文子「青子の周囲」」

新章文子は1959年に「危険な関係」で江戸川乱歩賞受賞で推理小説にデビューした。

それ以前に宝塚歌劇団に入り2年舞台に出たが退団し、童話等を書いたが結婚し止めたが、乱歩賞で再度書き始めた。

2019年の短編集の解説で、新章の作品数と本の数がかなり少ない事に驚いた。

短編も作品集にまとめられた事が少なかったようだ。

「青子の周囲」は1961年に東都ミステリ叢書の1作として出版された。

作者のあとがきと、帯に作者紹介と写真があり、帯に仁木悦子の文がある。

内容は芸能界と、芸能一家の中でのトラブルや愛や死が描かれる。

主人公の青子は、宝塚歌劇団で緑川雅美として5年舞台にいたがテレビタレントを目指して退団する。

そこから小説が始まる。

姉・水恵は自身が入れず青子を勧めて歌劇団にいれたので、退団に反対した。

その後の水恵の自殺??を含めて、周囲と青子本人の異なる様々な思いが絡む中で展開してゆく。

(2022/09/21)

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