「鮎川哲也「殺意の餌」」
鮎川哲也の「殺意の餌」は、1971年にソフトカバーで出版された短編集だ。
収録作は「夜の散歩者」「白馬館九号室」「貨客船殺人事件」「伯父を殺す」「殺意の餌」「花と星」「ふりむかぬ冴子」だ。
初出誌の記載がなく、1967年の「夜の散歩者」から1971年の「貨客船殺人事件」の時期の作品だが、一部は不明だ。
特徴は全てが「問題編」と「解答編」に分かれている事だ。
作者「挑戦小説を7編揃えました。3編は犯人探しで、残りは倒叙ものです。(後略)」
解答編は本の末尾に、まとめて掲載されているが、その長さはまちまちだ。
懸賞出題作もるが、通常作から解答編を切り出した作もあるようだ。
帯文に、「犯人当て挑戦小説」と記載されているが、全体の構成を説明している訳ではない。
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(2023/09/06)
「鮎川哲也「黒い版画」」
鮎川哲也の「黒い版画」は、1968年に日本文華社から新書版で出版された。
収録作は「黒い版画」「背徳のはて」「死が二人を別つまで」「赤い靴下」「虚ろな情事」で、1963から1968年の発表作だ。
カバーの作者写真と作者紹介がある。
「黒い版画」は作品の末尾に「朝鮮ダリアの女」改題とされている。
収録作はシリーズキャラクターが登場しない作品だ。
鮎川の短編集はそのままの復刊は少なく、再編集で作品が入れ替わって復刊される事が多い。
短編集「黒い版画」の収録作も、その後はバラバラで復刊されており、本の題が「黒い版画」でも収録作は異なる。
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(2023/09/16)
「鮎川哲也「赤い密室」」
鮎川哲也「赤い密室」はサンケイ出版から1973年に出版された。
46版ソフトカバーの小説全般を扱う叢書で、ミステリも多く収録されている。
本文と「あとがき」があり、カバーには作者紹介と写真があり、中島河太郎の紹介文がある。
収録作は「密室推理」が4短編で、「時刻表推理」が3短編だ。
「あとがき」で収録作について語っており、「いわゆる機械的な密室物に対するアンチテーゼとして、私はこれらの心理的トリック を用いた密室物を書いた。」「今の私には密室物や鉄道物を書きたい気持ちはなく、今後も創作する機会はあるまいと思う」とも書いている。
この本の収録作は、のちに複数の作品集やアンソロジーに収録されており、代表作であり代表的な短編集だ。
(2023/09/26)