「仁木悦子「夏の終わる日」」
仁木悦子「夏の終わる日」は、1975年に毎日新聞社から出版された。
ソフトカバーの作品集で、帯文に主人公の「三影潤」の紹介がある。
掲載作は「色彩の夏」「どこかの一隅で」「白い時間」「しめっぽい季節」「夏の終わる日」だ。
その後1983年に、同じ5作の作品集として角川文庫化された。
帯文は「三影潤、35歳、中肉中背のありふれた中年男。護身術の心得もなく、危険は好まない。だが、妙な性質で、事件に不可解な要素があると、ついつい深入りして危機に瀕する」と紹介されている。
5作全てが三影の登場作で、同僚の桐崎秀哉とその妻で事務の桃子と、夫妻の小さな娘が登場する。
(2024/06/02)
「仁木悦子「仁木悦子・自選傑作短編集」」
仁木悦子「仁木悦子・自選傑作短編集」は、1976年に読売新聞社社から出版された、仁木の自選短編集だ。
「現代日本人気推理作家 自選傑作短編シリーズ」叢書の1冊だ。
ハードカバーの統一デザインの叢書で、作家アルバムと自作解説が収録されている。
収録作は、「かあちゃんは犯人じゃない」「罪なき者まず石をなげうて」「金ぴかの鹿」「暗い日曜日」「ねむい季節」 「明るい闇」「山のふところに」「死の花の咲く家」「夢魔の爪」「石段の家」だ。
シリーズ作品もバランスよく収録されている。
詳細な自作解説が特徴であり、その文章は、これ以降の作者紹介や、作品解説で度々引用される事になった。
この本の文庫化ものちに行われたが、収録作は一部変更されている。
(2024/06/12)
「仁木悦子「緋の記憶」」
仁木悦子「緋の記憶」は立風書房から1978年に出版された。
6作収録の短編集で、ソフトカバーだ。
全作が三影潤シリーズの連作作品集で副題が「三影潤 推理ノート」だ。
収録は、「暗緑の時代」「緋の記憶」「アイボリーの手帖」「沈丁花の家」「蜜色の月」「美の五月」だ。
カバーに内容紹介として「緋の記憶」の冒頭のあらすじがあり、さらに作者の写真と紹介がある。
本集の前には同じ版元から「仁木悦子長編推理小説全集」が5巻刊行されていた。
3年後に仁木は短編「赤い猫」で日本推理作家協会賞を受賞して、同じ版元から短編集が出版され、「緋の記憶」も復刊された。
さらに2年後に文庫化された。
(2024/06/22)