「仁木悦子「青い風景画」」
仁木悦子「青い風景画」は、1984年に立風書房から出版された。
ソフトカバーの作品集で、帯に作者の写真と紹介がある。
その後1988年に、文庫化された。
掲載作は「青い風景画」「まぼろしの夏」「光った眼」「偽りの石」「遮断機の下りる時」だ。
「青い風景画」のみが、三影潤の登場作であり、雑誌発表時には「オセロは告げる」の題名でありそれが登場する。
残りの4作は非シリーズ作品であり、少年・少女が中心の作品が多い。
(2024/07/02)
「仁木悦子「聖い夜の中で」」
仁木悦子「聖い夜の中で」は、1987年に立風書房から出版された仁木の短編集で、1986年に死去した作者の「ファイナルミステリー」とカバーに表記されている。
5作の短編集であるが、仁木悦子の資料集でもある。
ハードカバーで、色々な写真や、年譜、書誌が掲載され、「追想」として鮎川哲也と熊井明子の文がある。
収録作は、「陰のアングル」「うさぎを飼う男」「折から凍る二月の」「数列と人魚」「聖い夜の中」だ。
「数列と人魚」は三影潤シリーズ作品であり、「聖い夜の中」は遺作だ。
後藤安彦・作製の年譜と、羽田和正・作製の書誌は、この本以降の選集や復刊にも引き継がれてゆく。
本書は1991年に文庫化されたがそこでは、後藤安彦の「本書を刊行するにあたって」と、夏樹静子の追想が追加されている。
(2024/07/12)
「仁木悦子「消えたおじさん」」
仁木悦子「消えたおじさん」は東都書房から1961年に出版された。
ジュニア向けのミステリ長編で、変形大版のハードカバーだ。
本文・表紙・箱に、イラストを多様したジュニア向けの本だ。
本文と、作者のあとがきと、「著者のこと」という紹介がある。
「あとがき」には、仁木のジュニア小説への思いが書かれている。
仁木のジュニア小説や童話(別名義を含めて)は、探せば或る程度の量はあるが、復刊されず長く入手困難だった。
「消えたおじさん」は、仁木の死後の2002年に漸く復刊された。
さらに仁木のジュニア小説や童話が全集的に復刊されたのは、2010年以降になった。
(2024/07/22)