古書日記(2024/08)

「大井三重子「水曜日のクルト」」

大井三重子「水曜日のクルト」は、1961年に東都書房から出版された。

仁木悦子の大井三重子名義の童話集で、レア本であり実物を見た事は無い。

その後に「水曜日のクルト」は、1976年に偕成社文庫として復刊で出版された。

童話が6話掲載されており、作者の復刊本のあとがきと、杉みき子の解説がある。

あとがきと解説で、この本の成り立ちと、大井=仁木について詳しく述べられている。

仁木の死後に全ての作品が、ミステリにジュブナイルと童話も加えて、度々復刊されている。

そこでは、仁木名義でまとめられており、解説等で大井名義について紹介されている。

(2024/08/01)

「仁木悦子「仁木悦子長編推理小説全集1」」

仁木悦子「仁木悦子長編推理小説全集」は、1976年から立風書房から出版された、全5冊の仁木の長編全集だ。

仁木悦子は1986年に死去したので、10年前になるのだが、この全集以降は短編中心になり、長編は1冊のみだった。

1冊に2作の長編を収録しており、全10冊を収録している。

「仁木悦子長編推理小説全集1」は「猫は知っていた」「刺のある樹」を収録し、ソフトカバーで、著者写真と、著者の「作品ノート」と、 権田萬治の解説と、カバーに横溝正史の文がある。

カバー文は一部のみだが、豪華メンバーの解説と、著者の作品ノートは全冊にあり、のちに度々引用されている。

変形のサイズで、統一したカバー等のデザインは全巻揃うと見栄えがよい、さらに上記の解説と作品ノートもあり、ファンには見逃せない。

(2024/08/11)

「仁木悦子「仁木兄妹の探偵簿:1・兄の巻」」

仁木悦子「仁木兄妹の探偵簿:1・兄の巻」は出版芸術社から1996年に出版された。

1986年死去後の仁木悦子の著書の出版としては、出版芸術社から断続的なシリーズが代表的だ。

ハードカバーで装画と装丁を統一した本だ。

作品は復刊で、資料類も既に紹介した本からの採録だが、新しい読者にはうれしい復刊だ。

1996年「仁木兄妹の探偵簿」2巻、1999年「仁木兄妹長編全集」2巻。

2002年「子供たちの探偵簿」2巻、2005年「探偵三影潤全集」3巻。

2006年「名探偵コレクション」3巻、2011年「仁木悦子長編アラカルト」2巻。

(2024/08/21)

「仁木悦子「仁木悦子少年小説コレクション1」」

仁木悦子「仁木悦子「仁木悦子少年小説コレクション1」」は論創社から2012年に出版された。

ジュニア向けの少年小説を集めた、全集的な本で、全3冊からなる。

ソフトカバーで統一されたデザインの3冊で、本文に加えて挿絵も復刻された。

1:「灰色の手帳」、2:「口笛探偵局」、3;「タワーの下の子どもたち」となっている。

ジュニア・ミステリの作品集であるが、かならずしもそのジャンルに拘らず全集的に編集している。

仁木のジュニア小説や童話(別名義を含めて)には、長く入手困難な作品もあったが、それらも収録された。

1:「灰色の手帳」では、長編「消えたおじさん」が収録され、さらに単行本初収録の「灰色の手帳」も収録された。

(2024/08/31)