「天藤真「絶命詞」」
天藤真「絶命詞」は、1979年に双葉社から出版された。
「絶命詞」は副題が「天藤真自選推理小説集」であり、個別作品を集めた短編集だ。
天藤は、後に2つの文庫で、文庫版全集が編まれたが、そこでオリジナル短編集も編まれた。
そのこともあり、短編集・連作集の著書の数は少ない。
本短編集には「逢う時は死人」「鷹と鳶」「穴物語」「金瓶梅殺人事件」「死の色は紅」「絶命詞」だ。
天藤の作品集は、「大誘拐」で日本推理作家協会賞を受賞して知名度が向上した後に編まれた。
(2025/05/13)
「天藤真「犯罪講師」」
天藤真「犯罪講師」は、1982年に角川文庫から出版された。
角川文庫では、天藤の長編8作が復刊されて、それに続いて短編集が4冊編まれた、その1冊目が「犯罪講師」だ。
角川文庫の短編集は「犯罪講師」「雲の中の証人」「完全なる離婚」「極楽案内」の4冊だ。
短編集「犯罪講師」には、短編「犯罪講師」「共謀者」「天然色ありバイ」「目撃者」「誘拐者」「日本KKK始末」「採点委員」と、中編「死神はコーナーに待つ」が収録される。
短編集「犯罪講師」は、ユーモラスなイラスト・カバーで、新保博久の解説が載っている。
中編「死神はコーナーに待つ」は、1975年に雑誌「幻影城」に発表された。
ユーモラスな文体で日常の中の錯覚と勘違いを描いた、本作に続いて天藤は連作「遠きに目ありて」を書き、さらに書き下ろし「炎の背景」を書いた。
(2025/05/28)
「天藤真「親友記」」
天藤真「親友記」は、2000年に東京創元社から「創元推理文庫」で出版された。
創元推理文庫版の「天藤真推理小説全集」では角川文庫と比べ、「全集」を目指した内容になっている。
角川文庫の短編集は4冊で中絶したが、創元推理文庫ではジュブナイルを加えて6冊の短編集となった。
「親友記」には9作が収録されており、その中の2作は単行本初収録となった。
「親友記」には日下三蔵の解説があり、帯に「創元推理文庫現代日本推理小説叢書通信」として短文のこの全集の進捗情報が掲載されている。
(2025/06/20)