悪名:2

4:続・新悪名

闇市が無くなり村上朝吉(勝新太郎)は靴磨きの少女・ひろみ(赤城まり)に逢い連れて宿へ帰り、知人・おぎん(茶川一郎)に会ったが今はおかまで女剣劇一座にいるが、演芸館主・玉島甚五郎(遠藤辰雄)の横槍で困っていた。
朝吉は女座頭・五月淳子(近藤美恵子)と大磯文次(杉田康)に会い相談され、一緒に玉島の事務所を訪れ用心棒になっていた清次(田宮二郎)に会った。
朝吉は玉島との間に入り興行の準備をするが子役が居なくひろみを使い成功し朝吉は淳子に誘われ、清次はひろみの歌を聞きのど自慢に出させようとして英語の歌を教えた。
興行は無事終るが、一座のギャラを前借した大磯が姿を消していた。
朝吉は自分の体を手形に借金し、金は因島の麻生親分に借りると言い、シルクハット親分(永田靖)と知合いという玉島と因島へ渡ると決めて一座と別れた。
朝吉は清次とひろみとお照(藤原礼子)に会い、神戸でお政(ミヤコ蝶々)と会うが母はいないと言い、朝吉は怒るが清次に預けた。
玉島と因島へ渡った朝吉はおしげ(阿井美千子)に会い、親分の死を知り玉島にシルクハット親分の許へつれ込まれ琴糸(水谷良重)が恩返しの金を持ってきた。
清次はひろみをのど自慢に出て、お政が母と言いもめたが、入賞確実と思った時に愚連隊が乱入し優勝を取ろうとし、清次は連中と喧嘩し脚をピストルで射たれた。
残されたひろみは優勝し、大磯が因島へ行くとを聞き清次に言い、ひろみ・お政は因島へ向い、漸く会ったひろみから大磯の事を聞いた朝吉は歌謡ショーで見つけシルクハット親分に頭を下げ、黒幕は玉島と知った。
<以下、隠し字>
朝吉は大阪へ帰り、玉島は演芸館の棟上げ中だったが、大磯と朝吉と清次を見ると喧嘩になり、玉島から金を取り戻した。


監督:田中徳三
脚本:依田義賢
原作:今東光
出演者:勝新太郎・田宮二郎・赤城まり・茶川一郎・遠藤辰雄・近藤美恵子・杉田康・永田靖・水谷良重・ミヤコ蝶々・藤原礼子・阿井美千子
制作年:1962年


感想: 次第に極道も儲け仕事を始めた。
朝吉は戸惑いながら、ついて行く。
時代の変化が出て来たようだ。

5:第三の悪名

朝吉(勝新太郎)は、死んだ貞の女房・お照(藤原礼子)の家に、貞の弟・清次(田宮二郎)と居候になっていたが松島で自分を探している男がいると聞いた。
朝吉は松島で戦友・粟津修(長門裕之)に会い、修は天王寺の粟津一家の二代目だったが松島組元締(西村晃)にいた。
先代松島組元締の、法要に粟津一家の女親分・お妻(月丘夢路)と会い朝吉は賭場で貞の仇達に出会い、お妻は粟津一家の先代の後妻で修にかたぎになってもらいたく、朝吉から修の居場所を聞いた。
清次はキャバレーの支配人なろうとしていて、垣内(天王寺虎之助)とカポネ(南道郎)との写真を見せたが黙っていた。
お妻は、修に会いかたぎにさせようとするが修はお妻と二代目を継ぎたいと明かし、お妻は松島組元締に修を返す様に頼むが断られ朝吉に相談した。
朝吉は粟津一家に行き辰吉(丸凡太)の刺青彫りに付き合うが痛がり彫物師(夢路いとし・喜味こいし)にバカにされ、彫物が完成した修に会った。
修は、小杉白粉会社の登録商標をかたるというカポネ一味の企みを話すが朝吉はことわり小杉久左衛門(菅井一郎)の息子・小杉静男(矢島陽太郎)が代理人というカポネのキャバレーにのりこむが息子の承諾だと言われた。
朝吉は、カポネのキャバレーの支配人の清次に兄はカポネの子分に殺されたというが無関係という清次に呆れ、松島は修を組から追い出し、カポネは清次を疑った。
<以下、隠し字>
修は粟津一家に戻り、清次はカポネ一味に襲われたが逆に小杉の息子も連れだし、兄の仇を取るとお照に言い、小杉の息子は垣内の二号にいたと言った。
修はお妻と一緒になろうと言うが、お妻は嘘を答え、一人で乗り込んだ修は小杉の息子の件をその仕業と思うカポネに不意を襲われ捕えられ拷問された。
カポネのキャバレーに朝吉と清次がかけつけ修を助け、証文を垣内に書かせた。
朝吉と清次は修を粟津一家のお妻に連れて行き、・・・・・。


監督:田中徳三
脚本:依田義賢
原作:今東光
出演者:勝新太郎・田宮二郎・長門裕之・月丘夢路・藤原礼子・矢島陽太郎・西村晃・南道郎・天王寺虎之助・丸凡太・夢路いとし・喜味こいし・菅井一郎
制作年:1963年


感想: 第5作だが、時代と世間は変わって行くが、朝吉だけは変わらない。
ヤクザも裏は変わらぬ世界だが、表は変わって行く。
最後は、同じヤクザと朝吉に戻る。

6:悪名市場

刑務所へ清次(田宮二郎)を朝吉(勝新太郎)が訪ねるとペテン師に騙され、それが四国にいると聞きそこに渡るが、菱屋運輸社長(花澤徳衛)には先に贋の朝吉(芦屋雁之助)と清次(芦屋小雁)が金を捲き上げたといい朝吉も唖然となった。
朝吉は二人を探り客分になるが、パチンコ屋でみのる(白木みのる)と店の咲枝(瑳峨三智子)に逢い、彼女が贋の朝吉こと一郎(芦屋雁之助)に惚れて、「悪名」にあこがれ朝吉の忠告も聞かなかった。
ペテン師柿本(田中春男)は港の商店街の主人達を騙し改築移転をすすめ、実は隣町の追風組親分鷺原(松居茂美)の片腕で工作していた。
おぎん(茶川一郎)が訪ねてきて朝吉は貞と名乗っていると言い、真似された方も悪いと言った。
柿本は鷺原の意により咲枝に偽朝吉の正体をあばくが、朝吉は後を追い、清次はお照(藤原礼子)のおかげで仮出所でかけつけた偽朝吉に気づくが様子を見た。
鷺原は咲枝に妾になれと騙すが、朝吉が探しだし子分達を殴り倒し咲枝を連れ出した。
翌朝、朝吉と咲枝のバスを襲った子分達を駆け付けた清次とやっつけた。
朝吉と清次は、村井と名乗る柿本を掴まえ、商店街乗っ取りを防いだ。
四国と中国の親分衆の会合が開かれ、偽朝吉・お照・咲枝が連れ込まれ、ばれていた偽朝吉は河内音頭が歌えずなぶられ、そこへ朝吉と清次が乗り込み河内音頭を歌い、鷺原と果合が決まった。
<以下、隠し字>
翌朝咲枝が消え、約束の場所で朝吉と清次は数十人の追風組とがぶつかろうとしたが、咲枝がハッパのスイッチを入れて爆音で土砂が飛び混乱した追風組を朝吉と清次はやっつけた。
鷺原と柿本を警察に引き渡し、朝吉と清次は大阪へ帰る船にのるが、清次と名のる男(藤田まこと)がいた。


監督:森一生
脚本:依田義賢
原作:今東光
出演者:勝新太郎・田宮二郎・瑳峨三智子・芦屋雁之助・芦屋小雁・花澤徳衛・白木みのる・茶川一郎・藤原礼子・田中春男・藤田まこと・松居茂美
制作年:1963年


感想: シリーズの第6作です。
悪名が拡がり、偽物がでる。
自業自得と思うが黙っておれずに、ペテン師と裏の組とぶつかる。

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