悪名:4

10:悪名幟

大阪へ戻った朝吉(勝新太郎)は清次(田宮二郎)と「びっくり鍋」という小料理屋へ行き店の娘・お米(水谷八重子)と会い、極道を止めて清次を徳島へ帰し料金は働いて払うと言った。
お米は稼がせようと朝吉と清次を女ばかりの賭場へ案内し、朝吉は町工場の女社長・お政(ミヤコ蝶々)との勝負を胴元・遠藤(佐藤慶)と話して小切手で百万以上の大金を勝ったが、お政は小切手は不渡りで工場はつぶれると頼むが遠藤は賭場の元締・春田正太郎(内田朝雄)の許可が必要と言った。
清次は有閑マダム(ミス・ワカサ)と遊んでいた。
元締・正太郎は「びっくり鍋」のおやじでお米の父で、朝吉はお米の静止を無視して正太郎に頼み込み、正太郎も断ったが朝吉にほれて小切手を遠藤からお政に帰させると決めた。
正太郎は朝吉から組に入るのを断られるとお米を嫁にと言うがそれも断ったが、朝吉は堅気になる必要があり、お米は遠藤に朝吉が屋台店を出す事を頼んだ。
面白くない遠藤は身内の中津(島田竜三)組と相談して、お政を脅し支配人も仕方なく、工場を抵当に借用書を書いた。
遠藤は朝吉の抗議に正太郎には直治郎(千波丈太郎)の独断と時間を長びかせた。
清次が朝吉の屋台店に中津組の用心棒として来て、清次は何も知らなかったが朝吉との関係を知った遠藤は清次を痛めつけ、清次は朝吉とお米の屋台店に来た。
<以下、隠し字>
正太郎は遠藤が中津と手を組んだと知って達藤を破門し、幹部達(玉置一恵・杉山昌三九・堀北幸夫)に告げたが、中津組に殺された。
お政が朝吉を訪ね、息子・健太郎(杉山光宏)が誘拐され工場の権利書を要求されたと言い、朝吉は乗り込み健太郎の命を楯に痛めつけられたが健太郎を取り戻すと、清次と共に遠藤と中津に乗り込み、・・・・・・・。


監督:田中徳三
脚本:依田義賢
原作:今東光
出演者:勝新太郎・田宮二郎・水谷八重子・ミヤコ蝶々・佐藤慶・島田竜三・杉山光宏・ミス/ワカサ・千波丈太郎・内田朝雄・玉置一恵・杉山昌三九・勝村淳
制作年:1965年


感想: シリーズ第10作。
ヤクザを止めて堅気になろうとするが、結局は元に戻るパターンだ。
そして、古いヤクザと新しいヤクザの抗争に巻き込まれる。

11:悪名無敵

朝吉(勝新太郎)と清次(田宮二郎)はデパートで会った家出娘・お君(大杉育美)を気にかけるが、スケコマシの常公(千波丈太郎)に騙され売春組織に連れ込まれた。
夜のジャンジャン横丁でポン引・常公に会った朝吉はお君の客となり、清次も同じ宿の女・朱実(八千草薫)と旅館に行き一時を過した。
お君と朱実を逃がすと決めた朝吉は、清次とお君を裏口から逃がし朱実と常公と逃げだし、清次はお君だけは逃がしたが、自分は追手に捕まった。
組の横川(戸田皓久)や磯辺(藤岡琢也)は、北陸の温泉場に向いお君は駅でバスで去り朝吉は温泉場で、常公と朱実を更生させようとして朱美は仲居になりマッサージの親爺(春本富士夫)に部屋を借りた。
朝吉は片山津温泉へ行き、大阪の女・百合子(藤村志保)に出会い部屋に誘われ博打を始めた負けて一夜を過ごし、朱実に冷たくされた常公は土地の親分(水原浩一)に助けを求め、電話で百合子に連絡した。
朝吉が朱実を訪ねると、常公が朱実を連れて仲間と大阪に戻されていた。
百合子は大阪にもどり元締(花澤徳衛)と会い、清次は新湊組のポン引になっており朝吉のために百合子に取り入り、朝吉を組に来させないように言った。
朝吉が大阪に戻ると清次が盛んに止めるが、朝吉は連合会に乗り込み現れた新湊組・百合子がいて手を引けと言うが聞かなかった。
<以下、隠し字>
朝吉と清次は命がけで連合会に乗り込み、力尽きかけるが改心した常公がガス熔接器をもて助けにきた。
金を積む新湊組に、百合子に朝吉は堅気になれと言った。


監督:田中徳三
脚本:依田義賢
原作:今東光
出演者:勝新太郎・田宮二郎・八千草薫・藤村志保・千波丈太郎・戸田皓久・藤岡琢也・春本富士夫・花澤徳衛・大杉育美
制作年:1965年


感想: シリーズ第11作。
大阪と北陸が舞台だが、表面上は特に意味は無い。
ただ2人の女が、北陸で本心をみせるという話だろう。

12:悪名桜

やきとり屋の朝吉(勝新太郎)と清次(田宮二郎)は、ABCクラブに依頼された愚連隊に襲われた新聞記者(浜田雄史)を助けて新聞に載った。
愚連隊の猛(酒井修)はABCクラブに乗せられ朝吉を刺しにきたが捕り、八尾から新聞を見てきた幼馴染の菊枝(市原悦子)は朝吉の父が死に、親類に墓参を断られた。
朝吉と清次は猛の事を考えて、家主で界隈の大地主の沢村亀之助(多々良純)と妻・房枝(沢村貞子)をたずねるが相手にされず、やきとり屋を手伝わせ、菊枝は遺言で嫁になると言った。
沢村は、体面で猛のやきとり屋を嫌い、やくざ大鯛組に取戻しを頼むが失敗し、次に大鯛組が大挙してやきとり屋に来て、店はこわされ猛は脱走した、清次は仕返しを言い、菊枝は堅気になれと言うが、朝吉は猛が気がかりだった。
清次は菊枝の妊娠を知り、朝吉の子と誤解して去ったが菊枝はいきずりの男に騙されて子をはらんでいたが朝吉は家に置いた。
猛は大鯛組のやくざと争い、政(守田学)を傷つけ逃げ、清次は大鯛組の後藤(須賀不二男)を脅し、謝礼金を取った。
猛は朝吉に怒られABCクラブへ逃げこみ、組長・乾(藤岡琢也)は沢村を呼び出して娯楽センター作りを勧め、猛を組員にした、大鯛組は沢村を猛の件で強請り縁を切り、ABCクラブと沢村は娯楽センター作りのために立ち退きを迫り、朝吉は反対した。
やがて大鯛組とABCクラブとの縄張り争いが始まり、一般人が巻き込まれ沢村は関係ないと逃げ、大鯛組の後藤は話し合わないと言い、ABCクラブの乾は朝吉に中に入れと言い、止めても聞かぬ朝吉を清次が追うが、大鯛組とABCクラブが手を結び、清次が昔の脅しで朝吉の邪魔をした。
<以下、隠し字>
ABC幹部におだてられ猛は、大鯛組の後藤を射殺し朝吉の家へきたが自首させると沢村夫婦に知らせるが無視で、自首の途中で猛はABC組員に射たれ沢村夫婦が来る前に死んだ。
朝吉は菊枝を八尾にかえし、清次とABCクラブへ行き殴り込んだ大鯛組とをたたきつぶした。


監督:田中徳三
脚本:依田義賢
原作:今東光
出演者:勝新太郎・田宮二郎・市原悦子・須賀不二男・藤岡琢也・守田学・沢村貞子・多々良純・酒井修・浜田雄史
制作年:1966年


感想: シリーズ第12作目。
幾度も堅気になりかけるが、結局駄目なためにシリーズになる。
ヤクザの闘争に、子供と親の関係が絡む。

このページの先頭へ