御用牙

1:御用牙

江戸北町奉行所で筆頭与力・大西孫兵衛(西村晃)中心に規則を守る血判書を作っていたが、板見半蔵(勝新太郎)は大名・寺社を除く建前は無意味と拒んだ。
半蔵は頭の切れ味と性格から「カミソリ半蔵」と呼ばれていて、手下に自らに石抱きの拷問をさせて痛さを知り限界を知ろうともし、自らの男自身を日々鍛えて女相手の武器に使用としていた。
島破りの無宿人狩りで半蔵は捕えた三次(石橋蓮司)から、去年島送りの重罪人・三途の竿兵衛(田村高廣)が江戸にいると聞いた。
部下の鬼火(草野大悟)とまむし(蟹江敬三)の調べで、竿兵衛の情婦お美乃(朝丘雪路)と与力・大西の妾が同一人物であると知り、お美乃を罠にかけ捕えた。
屋形船で半蔵の男自身を使った座禅ころがしでお美乃を責めたて従わせ自宅の風呂で全てを白状させたが風呂は襲撃防止の多くの仕掛けがあった。
お美乃は奉行にも老中にも圧力がかけられる大奥絡みの背後の力の存在を答えた。
半蔵は襲われたが屋敷の仕掛けでのがれ、大西にお美乃を引き渡し処分しようとした竿兵衛を誘い出して討ち、お美乃を保護して大西を操った。
<以下、隠し字>
大奥医師の稲村玄伯(嵯峨善兵)の屋敷に行き娘・おゆら(渥美マリ)を騙して連れ出し、着物を脱がし網吊しで半蔵の男自身で責めて従わせ、風呂でおゆらが大奥での利用され方をしり、奉行所と玄伯に何も無いとおゆらは言った。
貧しい姉と弟が病気の父を殺して楽にしようと悩んでいるのを見た半蔵は、玄伯に見せて助からないと判ると自身で首つりさせて、姉弟を助けた。
そして、大奥へと目を向けて行った。


監督:三隅研治
脚本:小池一夫
出演:勝新太郎・朝丘雪路・渥美マリ・西村晃・田村高広
制作年:1972年


感想: 古い娯楽作だが、娯楽映画の色々な要素を含んでいる。
なかなか、この含みから抜け出す事は難しいようだ。
現代を背景にしても、要素は似る。

2:御用牙・かみそり半蔵地獄責め

江戸北町奉行所同心・板見半蔵(勝新太郎)が手下・鬼火(草野大悟)とマムシ(蟹江敬三)と二人組の盗人を追っていると勘定奉行・大久保山城守(小松方正)と用心棒・御子柴十内(黒沢年雄)と出会い誰の指示も受けぬと言った。
盗人を捕えたが盗品は女の屍体から盗んだと白状し、死体から寺社で行っている「子おろし」に関係があるとにらんだ。
寺社は半蔵の管轄外だが、女神主・大酔女(宗田政美)へ行き「ややおろし」の現場をおさえ、大酔女を拷問にかけ死体が駿河屋の娘・お町(榊陽子)と白状させ、駿河屋から海山寺にお茶・お花を習いに通っていたことを聞いた半蔵は尼寺に潜り込んだ。
そこでは住職の如海尼(相川圭子)が豪商を集め、全裸の生娘のせりを行っており男達は半蔵から逃げたが、突然御子柴十内が現われ侍を逃がした。
如海尼を石抱きの拷問と網吊りろくろ責めで白状させ、男は大久保山城守と判明し風呂に2人でいるときに襲われたが数々の仕掛けで逃れ、如海尼は半蔵の家に残った。
半蔵は奉行・矢部常陸守(大森義夫)と筆頭与力・大西孫兵衛(西村晃)から勘定奉行の機嫌を取る為に、悪党浜島庄兵衛(佐藤慶)を捕えるように命ぜられた。
<以下、隠し字>
幕府の金座・後藤家を狙うとにらんだ半蔵は、当主若後家・陸(稲野和子)を陥落させ押し入れに隠れたが、大久保と大西が次々と陸に私腹を肥やす悪事の相談を始めた。
浜島庄兵衛が火付け改めにばけて来て襲うが半蔵に妨げられ、子供を質にして半蔵に一人で来いと呼んだ。
半蔵は棺桶を担ぎ乗り込み子供を助け浜島庄兵衛一味を捕らえたが、褒美という大久保に不正を述べて2人の女証人がいると言った。
大久保は閉門になるが、御子柴十内が半蔵に果たし合いをのぞみ・・・・。


監督:増村保造
脚本:増村保造
原作:小池一夫・神田たけ志
出演:勝新太郎・草野大悟・蟹江敬三・小松方正・黒沢年雄・相川圭子・稲野和子・大森義夫・西村晃・佐藤慶
制作年:1973年


感想: 勧善懲悪の明解な時代劇です。 細部やストーリーの細かさよりも、お馴染みのスタイルで進む判り易さが売りです。 徹底した娯楽映画の作りの見本的シリーズの1作です。

3:御用牙 鬼の半蔵やわ肌小判

江戸城の御金蔵に面した堀端に出没する女幽霊(中島葵)を捕えた北町奉行所隠密廻り同心「かみそり半蔵」こと板見半蔵(勝新太郎)と手下の鬼火(草野大悟)とマムシ(蟹江敬三)は、堀から吹きたて小判をつめた竹槍を発見した。
半蔵は女幽霊を責めたが襲ってきた金蔵見張り番・加藤長三郎(戸浦六宏)の妻で殺され加藤も死んだ。
老中・堀田備中守(名和宏)から半蔵と筆頭与力・大西孫兵衛(西村晃)に褒美が出るが半蔵は断り、帰りに老中に意見書を出そうとした杉野玄庵(高橋悦史)が現れたが無視された。
半蔵は玄庵から1ヶ月の命と聞き、意見書の西洋大砲の威力は実物を見せる事が必要といい、玄庵は半蔵の家で作り始めた。
老中は賄賂を取っていたが、家宝の槍の献上を拒んでいた幼な友達・武井兵助(山内明)に半蔵は出会い、兵助は石山検校から金をかりそれが吹きたて小判だった。
<以下、隠し字>
盲目の高利貸石山検校(小池朝雄)と用心棒・戸波伴作(成田三樹夫)は梅屋敷に住み、おえら方の奥方を集めて遊び、忍びこんだ半蔵はそれを目撃し、女たちに刺青をして脅かし、奥方・弓(緑魔子)を手なずけた。
武井兵助宅へ乗り込んだ借金取りと用心棒は、兵助を殺し家宝の槍を奪った。
半蔵は梅屋敷に乗り込み検校の御用金盗み出しを暴露すると脅して、銅瓦を貰い金貸しの証文を全て焼き捨てさせた。
玄庵は梅屋敷の銅瓦で大砲をつくり、1ヶ月後に堀田の行列に大砲を撃ち威力を見せて死んだ。
兵助の墓まいりの半蔵に、戸波伴作が現われ半蔵と斬り合いになり・・・・・。


監督:井上芳夫
脚本:増村保造
原作:小池一夫・神田たけ志
出演者:勝新太郎・名和宏・小池朝雄・成田三樹夫・緑魔子・中島葵・西村晃・高橋悦史・草野大悟・蟹江敬三・戸浦六宏・山内明
制作年:1974年


感想: 大西・鬼火・マムシのトリオはむしろユーモラスな存在になった。
悪玉は大きくなって行くが慣れてきて、印象は同じ程度だ。
逆に、玄庵や兵助という脇の話を加えた。
定番の女責めは抑えめで、活劇が増える傾向だ。

このページの先頭へ