新・座頭市2:1

1:1978.1.9:恋鴉いのち百両

座頭市(勝新太郎)は街道で薬売り(小川知子)と会い旅をし宿が同部屋になり、又八(長谷川明男)も泊まり鬼熊の勘三(鈴木康弘)と姐御(千うらら)を訪ね牛殺し坂で市殺害を頼み、又八と加勢が待つと用心棒(西田良)が来て安いと言い、市は襲った加勢と用心棒を斬り、次の宿で薬売りが座頭市の噂を尋ねると大げさと言った。
又八は蛇の権太(高木均)に頼みと成功報酬百両と言われ、薬売りが出かけると又八に呼ばれ、翌日も市と薬売りは旅を続けヤクザに襲われるが市は斬り、足に怪我をして薬売りが手当てした。
宿で薬売りは売り上げを狙うと言うと市は自分の命を狙うと答え別れようと言い、又八は権太に葬式代を要求され一味に襲われ、薬売りは市に死んだ亭主の事を話し別れたくないと言い寄ると市は誰に頼まれたと聞き、亭主がいかさま賽を見破られ襲い殺されたと言い、又八は亭主の弟と言った。
又八は権太一味に責められ、権太の使いが薬売りを連れると市が来て薬箱を開けると金が有り、一味が気を取られると又八を助け、市は一味を斬り又八が権太を斬り殺し、薬売りと又八は市を狙うのを止めて去った。


脚本:新藤兼人
監督:黒田義之

2:1978.1.16:目なし達磨に春がきた(市の達磨に春が来た)

座頭市をヤクザ3人が狙い斬るが人違いで、座頭市(勝新太郎)は吉松から人違いで斬られ金を次ぎの宿の春風一座の久美太夫に届けて欲しいと頼まれた。
お蝶太夫(朝丘雪路)が久美(川崎裕子)を教え、市は和尚(殿山泰司)に吉松の弔いを頼むが久美の事は断られ、市が春風一座へ行くと、鳥蔵一家の弥七(根岸一正)が脅し、市が久美に父からの言付けと金を出すと何故会いに来ないか聞かれ、お蝶は父かと聞くが市は否定し、お蝶と久美は投げ剣の芸をした。
お蝶は市に隠し事を聞き、吉松が久美に会う途中で自分と間違われ斬られたと話し金を預け、翌日に市は久美の投げ剣稽古の的になり、弥七が一座の猪熊虎十郎(福田豊士)を買収し興行に穴が空くと市が代わりに行い、鳥蔵(今井健二)らが来て見た。
弥七が鳥蔵に按摩と告げるとヤクザ3人が座頭市と言い、鳥蔵は女を狙い全部の興行の場所代を上げ、市は久美に投げ手と的が信じ合う事で出来ると言い、お蝶が鳥蔵に会いに行き市がそれを聞き、お蝶が鳥蔵に襲われると久美が来て鳥蔵が市を呼べと言うと、市が来て鳥蔵がお蝶を人質にし、ヤクザ3人が現れ市は吉松殺しと知った。
久美の投げ剣でお蝶を助けた市は、虎十郎と鳥蔵らを斬り殺し、役人が春風一座に来ると和尚が市は死んで葬ったと墓を示し久美に拝むのが一番の供養と言った。


脚本:高橋二三・中村努
監督:安田公義

3:1978.1.23:天保元年駕籠戦争

駕篭かき集団どうしが争い、行き倒れた座頭市(勝新太郎)は駕篭で運ばれおりん(栗田ひろみ)が水を飲ませ駕篭かきが喧嘩を話し清吉の噂をし、おりんの兄・新吉(根津甚八)が市と話し、丸源親分(梅津栄)が八公(十貫寺梅軒)を仲間に誘い責め用心棒・平田(山本昌平)が見て清吉(風間杜夫)に殴らせ平田が刺し、おりんが這って戻った八公を見つけて事情を聞くと、死んだ。
殴り込もうとする新吉を市が止め、市が先棒になり双方が客を奪い合い、新吉は市の先棒を喜び続けると平田が来て座頭市だと言い、丸源一家に大勢の助太刀が来て、清吉がおりんを訪ね殺されるのは嫌で逃げようと誘い、市が戻り聞いた。
おりんが孕んだ子を堕ろそうとすると市が止め、新吉に市が喧嘩をするなと言い、清吉はおりんと逃げようとするが丸源一家に見つかり、新吉に市が呼び出されると清吉とおりんが捕らえられ、丸源が市の仕込み杖を要求するが取り返した。
市は丸源一家と助太刀を斬り倒し丸源を殺すと、平田が現れ闘い市が斬り殺し、清吉が新吉におりんとの仲を話し村を去った。


脚本:尾中洋一
監督:勝新太郎

4:1978.1.30:蛍

座頭市(勝新太郎)はお里(伊佐山ひろ子)と蛍を見て行き先を大堀と言うと妹・お多代宛ての物を預かり船に乗り、佐倉の医師・土田宗源(柴俊夫)から眼を手術と聞き訪ねろと言われた。
市はお多代(大竹しのぶ)に会うと盲目で、預かり物を渡し両親に内緒と伝え、お多代は小さな頃からいじめられ慣れ、母・(菅井きん)がお多代を連れ、市は松葉床で父(田武謙三)にお多代を佐倉の医師に見せると告げ、母は金儲けを考え行かせると答えた。
市はお多代と旅に出て、両親が実の親で無いと知り兄弟は親無し子と聞き、市はお多代は土田を訪ね見て翌日に手術と言い、お多代は市にお里と寝たか尋ね自分も同じに扱ってくれと言い、皆がお里の様に売られて行くと言い、礼に好きな様にしてくれと言った。
土田はお多代の眼を手術して、市は3日後に判ると聞き看病し、お多代は眼が見えなくても平気と言い、期日がきて土田が包帯を取ると蛍が見えた、土田は市の眼を見るが何も言わなかった。
両親は噂でお多代の眼が直ったと聞き、十兵衛(遠藤太津朗)に身請け料の値上げ言うとかえって安くなると答え、市は土田からお多代は両親が連れ帰ったと聞き、お多代は両親に無理に包帯を外され十兵衛に身請けされ、市は両親の仕打ちを聞き家に行き何故に眼を潰したと言った。
両親は十兵衛に市を連れ、市は治療代を要求すると一家が襲い、市は一家を斬り殺し十兵衛はお多代を人質にするが殺し、お多代は手で市の顔を触り泣いた。


脚本:安部徹郎
監督:太田昭和

5:1978.2.6:歌声が市を斬った

座頭市(勝新太郎)は浪人(待田京介)から生きる為に命を狙われるが蹴散らし銭を渡した、掏摸(川谷拓三)と船に乗り合わせ、市の居る小屋で再会し財布を掏られたと言い、宿に連れられ飲んだ。
ヤクザ(蟹江敬三)が亀屋の使いで金を取りに来て母(大塚道子)は娘・お菊(中野良子)を助ける為に抱けと言うがヤクザはお菊を狙うと、母がヤクザを刺して逆に殺され、お菊が市と掏摸の部屋に逃げて来た。
お菊は母が父に我慢出来ずにお菊を連れ逃げたと言い歌った、3人で流すと獺の権八が呼び狙うが市が来て一味を斬り追い払い、権八は座頭市だと言った。
お菊は楽しく怖いと言い、夜に消え掏摸も別れ、お菊は亀屋(北村和夫)に会い借金を返すと言うと我慢強く生きると言い駕篭に閉じ込められ、周囲の娘が酷い目に遭った。
権八が亀屋に市を話すと、お菊は来ていると言い、金を返した親子を浪人が斬り、亀屋が伊勢屋に娘らを売り渡し、市を連れていると言い呼び込み三味線を弾き市が現れ見たお菊が抱きつき、市は1曲弾き浪人が斬り掛かるがかわし弾き続けた。
亀屋と権八一味が取り囲むと、市は浪人を斬り一味を斬り逃げる亀屋を殺した。


脚本:新藤兼人
監督:勝新太郎

6:1978.2.13:五本の長脇差

座頭市(勝新太郎)は西瓜泥棒の子・小虎に会い銭を払い、利助らが博打に市を誘うとお駒(夏純子)が見届けいかさまをさせずに勝ち、勝った長脇差を川に捨てた。
お駒が市と飲み、宿場で安中藤五郎と鱗田仁吉(山本麟一)の縄張り争い中と言い、小虎らが盗賊に入るが何も盗らずにげ、お駒が鱗田に市を用心棒に売り込み利助らが入門を頼むが断り、鱗田が狙われ市が助け、家に呼ばれ用心棒を頼まれた。
利助らが入門方法を考えると市が止めろと言い、お駒が五本の長脇差を準備させ利助ら5人らに渡し身内にし、5人は商人をいじめ、安中の手下が市を誘い、5人は安中の手下らを襲い1人を斬り殺し子分らが持ち上げ、見た市は5人を田舎に返せと言うと用心棒を頼まれた。
お駒は約束の金を鱗田に貰い賭場で市と会い、自分と5人には生きる方法が選べないと言と市は早死にはさせたくないと答え、鱗田が出入りの準備を始め5人が見つめお駒は去り、安中が出入りを受けず鱗田は5人を使い討ち入らせ、お駒は見て市に知らせた。
5人が待ち伏せると安中から手打ち人が来て襲うと斬られるが、市が来て止め、鱗田一家に行き全員を斬り殺し、子らは死体を運び長脇差を捨てた。


脚本:久保田圭司・岩元南
監督:太田昭和

7:1978.2.20:遠い昔の日に

盲目の少年が娘・お艶に旅におくられた。
座頭市(勝新太郎)が百姓に上州屋を聞くが昔に無くなったと答え、市は襲った黒装束の2人を斬り以蔵(石橋蓮司)が妻・お艶(李礼仙)に市を連れろと言い、役人が盗賊捜しで宿に旅人を止めた。
お艶が市と宿で会い、昔の盲目の少年を思い出し、以蔵らが待ち伏せると市が現れ2人が斬られ、市は宿場でよろず屋・留造(草野大悟)に会い上州屋は無くなったと聞き、娘・お艶が嫁入りを嫌がり焼きこてを当てたと言い、一緒に暮らそうと言った。
鐘が鳴り、以蔵らが押し入り寺子屋師匠(大出俊)と妻(稲川順子)と子らが人質に取られ村人に市を連れろと要求し、村人が留造に要求し市に告げると行くと言い、以蔵は師匠と妻をなぶった。
師匠からの投げ文を読んだ留造は市に知らせ、市は目的が判り、以蔵は妻を犯そうとして師匠が闘うが殺され、お艶は以蔵に座頭市が怖いなら自分が斬ると言い、市が来ると以蔵は村人の市を殴り殺せと言い村人が市を殴り、以蔵は村人に子の身の代金を要求した。
以蔵が市を刺そうとするとお艶が以蔵を刺し以蔵に殺され、傷だらけの市が以蔵一味を斬り、市がお艶の子を育てて欲しいと言うと留造が引き受けた。


脚本:中村努
監督:勝新太郎

8:1978.2.27:そこのけ、そこのけ、あんまが通る

武家の行列が来て、青柳藩・遠藤公之進(工藤堅太郎)が琴姫(斎藤こず恵)を出迎え先導で出発したが、武士らが牛若を探しそれを座頭市(勝新太郎)が見て食事をすると、犬が来て牛若と思い、武士らが見つけ連れた。
琴姫が牛若を居たいとじい・大沢(稲葉義男)と浅尾(中山麻里)に言うと認められ、琴姫は急に優しくなったと言い、遠藤は浅尾に青柳の遠縁に行っても気持は同じといい、琴姫はお化けを繰り返し見て浅尾に嫁に行かないと言った。
琴姫は宿を抜け出し、大沢と浅尾と遠藤は相談し探し人を出し、刺客らが市を探し、琴姫は村人の娘に会い、市は牛若と会い着物を交換した琴姫が来て村の子と遊び市も呼び夕方に村人の子と別れ、市と琴姫は野宿した。
浅尾は大沢に琴姫が輿入れを嫌っていると言うと藩の事情で必要で浅尾に探せと言い、翌朝に行列は空駕篭で出発し浅尾は別に探し、琴姫は武士から逃げようとし市は琴姫の姿を聞き、浅尾は女の子があんまといたと聞き、刺客は茶店主人からあんまの事を聞いた。
浅尾は市といる琴姫を見つけ、市は刺客・栗殻一味に襲われたが斬り逃れ戻ると琴姫は市といるとお化けが出ないといい浅尾が見守り、刺客が市の居場所を言うと武士が聞き、遠藤が仲間の武士に国境前にと言った。
市は琴姫を小屋に隠し襲った刺客らを斬り、それを遠藤が隠れ見て琴姫を迎えると、浅尾が来て不審というと遠藤が斬り掛かり市が防ぎ闘い遠藤を斬り殺し、大沢が切腹しようとすると浅尾の知らせが来て、琴姫は市の食事の支度をし一緒に食べ、琴姫は市の事は忘れないと言い別れた。


脚本:棚田吾郎・中村努
監督:島田開

9:1978.3.6:まわり燈籠

箕輪義助(内藤武敏)と子分・小左武(平泉征)を複数の男が賞金首と襲うが失敗し逃げ、銀杏の三次(石橋正次)が座頭市(勝新太郎)に茶店で肩を揉ますが弥太郎(笹木俊志)が来ると逃げ、宿場で再会し娘(遠藤真理子)が宿に誘った。
弥太郎の次ぎに源太(椎谷建治)が来て箕輪の賞金稼ぎと三次は言い、箕輪は音造(小林昭二)に泊まり市が按摩に来ると気づき、噂を話しお上にたてつくと秋風ばかりと言い、箕輪は小左武に市だと言った。
夜に源太を三次が斬り、小左武を音造が疑うが違うと言い、小左武は市と思い挨拶すると勘違いと答え、三次が娘と過ごし酒屋に誘い居た賞金稼ぎが源太殺しと気づいた。
小左武は博打で遊び音造に疲れたと言い箕輪を斬った下手人をお上に差し出す事を音造に誘い、三次が賞金稼ぎと立ち合い斬り、市が箕輪に会うと小左武と2人行くと聞き、箕輪と小左武が立つと弥太郎が現れ次ぎに三次が現れ、三次が宿に逃げ帰ると追っ手が取り囲み箕輪の仇と言い、市が三次を責めると小左武と音造一味が殺したと言った。
音造一味と小左武が三次を囲むと市が真相を聞き、小左武が三次をたぶらかし市を狙わすが斬られ傷つき、市は音造一味と小左武を斬り殺した。


脚本:小倉洋二
監督:森一生

10:1978.3.13:冬の海

座頭市(勝新太郎)は多数の渡世人に襲われ斬るが、陣太(谷崎弘一)を助け縁を切れと言い、女・天(原田美枝子)が荷馬車に乗せて貰い市に会うが、荷馬車が襲われ市が賞金稼ぎを斬り殺し、見た天が市の絵を描きたいと付いて来た。
親分(内田朝雄)が子分を情けないと言い権太(守田学哉)に市殺しを命じ、天は市を描きたいというと一緒に過ごし音で風景が判ると言い、天は市が寝ている時は目明きと同じと言い絵を描き、市を訪ねて陣太が来て礼を言い、天が療養所に居て1月だけの命と聞くと市に黙る様に言った。
博打場で按摩をする市を権太が見張りつけて一味が襲おうとするが居なく陣太が見て、天は市に触って似顔絵を描けと言い、陣太は市を一緒に暮らそうと誘うと天が別れを言うと忘れ物を渡し、陣太と市が追い探し天が倒れた。
天の具合が悪く、裸が描きたいと市を見つめ、陣太が出かけ権太らに殺され、天は弱りながら描き終え市に蓮の上に居ると語り絵を見せ、市は見えると答えると天は息を引き取り市は抱き、襲った一味を斬り殺した。
市は天を抱き、船に乗せ流した。


脚本:勝新太郎・中村努 監督:勝新太郎

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