新・座頭市1:2
- 11:1976.12.13:風に別れた二つ道
-
父親が庄屋の馬鹿息子にぺこぺこするのが気にいらない息子・仁吉(湯原昌幸)は村を去り、渡世人に絡んでいると座頭市(勝新太郎)に会い、市は仁吉の立合を陰で助けた。
市は仁吉に吉蔵(西村晃)親分を紹介するが古い家と子分がいないと入り、対立する六蔵親分(辻萬長)一家に泊まった。
市は吉蔵に会い、孫・お花(宗方奈美)と2人住まいで子分は絹を作らせていると言い、息子は死に手下に同じ思いをさせたくないと言った。
仁吉は一家の吉蔵襲撃を聞き仲間に入り行くと座頭市に追い返され、吉蔵がお花を嫁に出すと知り、仁吉は市に旅に出て欲しいと伝えた。
六蔵一家は吉蔵を襲うが、市が皆を斬り、仁吉に元の仕事に戻れと言って去った。
脚本:東條正年
監督:工藤栄一
- 12:1976.12.20:金が身を食う地獄坂
-
雪の中で座頭市(勝新太郎)は幼馴染みの高利貸し・権(緒形拳)に会い、片目のみ僅かに見えた権と話し金を貯めて検校を目指すと言い、家に招かれ行くと妻・お仲(町田祥子)と息子・由松(須田圭一)が居た。
権はヤクザと手を組み金儲けに熱中し、鹿川(高木均)の代貸し(中井啓輔)に呼ばれ賭場に出かけ、市はついて行き最後に大儲けし帰りに襲われて逆に斬り殺し、権は鹿川から座頭市が500両の賞金首と聞いた。
権は座頭市の賞金首を奪うために由松に利用を考え攫い、旅に出た市に脅迫状を見せて助けを求めた。
鹿川は一緒に待ち伏せし指図する権を斬り殺すと、市が来て一味と斬り合い由松とお仲を助け、鹿川一味を斬り殺し、去った。
脚本:佐藤繁子・八亀文平
監督:田中徳三
- 13:1976.12.27:母の涙に市が走った
-
座頭市(勝新太郎)はおしの(北林谷栄)と宿場に行くと代官が掛けた賞金稼ぎが集まり騒々しく、ヤクザに絡まれたお京(森川千恵子)を助けた。
賞金稼ぎ(長谷川弘)やヤクザ(小瀬朗)の前で賞金稼ぎの新田源八郎(松平健)が又七(中条きよし)の人相書きをはぎ取り、おしのに声を掛けられると今は浪人で狼だと答え、それをお京が見ていた。
又七が木樵小屋に隠れていると賞金稼ぎが知り取り巻き、お京が一番強いからと声をかけた源八郎を連れて来ると他の賞金稼ぎを斬り殺し、お京は兄・又七から証拠品は煙草入れと同時に盗まれたと言いお京は煙草入れを持つ男に憶えがあった。
源八郎はお京に他の賞金稼ぎから守ると言ったが賞金は貰うと言い、又七を追い詰めるがおしのが来て、市は源八郎と闘い斬り、来た3人組に又七が煙草入れを盗まれたというと市は捕らえて、又七とお京は互いに代官所に行こうと言った。
脚本:柴英三郎
監督:太田昭和
- 14:1977.1.10:雪の別れ路
-
座頭市(勝新太郎)は女三味線流し・お由起(吉永小百合)と宿場に入り、それぞれ仕事に行き市は卯吉(林与一)を按摩すると一緒の女(浜加代子)を女郎に売った。
お由起は卯吉と会い以前に貰った櫛を見せ、市に生い立ちから卯吉に惚れて別れ再会した事を話し、市は卯吉が親方(田中明夫)にお由起を売る話しを聞き、卯吉を脅してお由起に妻子があると別れ話しをさせた。
お由起は市に別れを告げ、酒屋で飲んでいると卯吉が誤魔化し言いくるめ攫い、市はヤクザ一味に殴りこみ闘い斬ると、卯吉は逃げようとして自分が売った女郎(野村けい子)に斬られ死に、お由起は女郎が自分と同じ櫛を持っているのを見た。
市はお由起と去り、持っていた櫛を2つに斬った。
脚本:中村努・佐藤繁子
監督:勝新太郎
- 15:1977.1.17:仕込杖が怒りに燃えた
-
座頭市(勝新太郎)は京松(剣持伴紀)を斬り頼まれお篠(真野響子)へ運ぶが途中で死にお篠と息子・正吉(清水康晴)に事情を話し斬った理由を聞かれたが自分も知りたいと答え、ヤクザ親分・赤根松(草薙幸二郎)は京松の仇討ちを口実にお篠を呼ぼうとし断られると家に火を付け、市は頭に落木が当たり気を失った。
市が数日後に気がつくとお篠と正吉に山の小屋で介抱され仇討ちは元気な時と言われ、お篠は出かけヤクザが市を狙い京松が使われたと聞いた。
お篠は市に身の上を話し、隣村に米打ちに行き庄屋(小池雄介)に襲われたが市が助け、お篠は市を故郷の半田に誘い準備したが市と正吉が町に用事に行った隙に、赤根松と辰(今井健二)らに襲われ赤根松に犯され斬られた。
帰った市にお篠は正吉を頼み死に、市はヤクザ一味を襲い皆殺しにして、正吉と半田に向かった。
脚本:新藤兼人
監督:勝新太郎
- 16:1977.1.24:駆込み道中ふたり旅
-
男(小野川公三郎)はお甲(加賀まりこ)を足抜けさせたが、ヤクザ親分(菅貫太郎)の指示で子分・仙吉(蟹江敬三)が小屋に追い詰め、小屋から座頭市(勝新太郎)が出て居ないと追い払った。
お甲と市は衣裳を替えて逃げ見つかるが市がヤクザを追い払い、お甲は仙吉が亭主で馴れ初めから女郎に度々売られたと話し、仙吉から話しを聞いた親分は恨みを持つ座頭市と知り賞金を出して、市を殺す手筈をした。
お甲と市に男が来て足抜けさせたの騙され、親分に告げると殺され、お甲は縁切寺に行くと言い夜に市が宿場に行った隙にヤクザ一味に人質にされ、市はヤクザ親分がお役者簑と知りお甲を助け、追い払った。
ヤクザ親分は川勝一家に応援を頼み川の渡し場で待ち伏せ、市は老船頭(浜村純)に船を出させお甲を乗せて漕ぎ出させ、自分はヤクザと川勝一家と闘い皆殺しにした。
脚本:沖守彦・岩元南
監督:黒田義之
- 17:1977.1.31:母子道に灯がともる
-
老人・宇兵衛(花沢徳衛)と女将・お滝(中村玉緒)と息子・船吉(新井つねひろ)が宿を行い、座頭市(勝新太郎)が追っ手を斬り払うのを船吉が見て手下になりたいというが断った。
ヤクザ子分(根岸一正)が市を巴屋に泊めようとするが、市は船吉が連れたお滝の宿に泊まり邪魔が入るからと早立ちを勧め、宇兵衛は宿場でヤクザ親分・荒牛長次郎(山本麟一)一家に邪魔をされ、市は宿でお滝から夫がヤクザの六蔵で死後に荒牛に嫌がらせを受けていると話した。
荒牛らはお滝らへの嫌がらせを増やし家財を借金のかたに持ちだし、船吉は父の仇を討ちたいと言うがお滝が抑え、翌朝旅立つが荒牛は元六蔵の子分・朝吉(早松慎吾)に船吉を挑発させ斬られお滝に船吉を引き出しけりをつけろと迫った。
お滝は1人で夫の位牌とドスを持って荒牛に会いに行き、宇兵衛は市を追い助けを求め、お滝は荒牛と向かい合いドスで襲い互いに刺し、市が来て荒牛一家を皆殺しにした。
市はお滝の遺骸を宇兵衛と船吉に連れ帰り、宇兵衛は船吉にお滝が立派に仇を討ったと言った。
脚本:下飯坂菊馬・中村努
監督:黒田義之
- 18:1977.2.7:酔いどれ川
-
座頭市(勝新太郎)はお柳(野川由美子)に誘われ茂助(左右田一平)の店で酒をふたりで飲むと、十手持・伝兵衛(平田昭彦)が子分と来てお柳を連れて座敷に上がり込み、市は絡む子分を追い出し斬り殺した。
茂助は座頭市だろうと確かめ伝兵衛の悪行を話し、伝兵衛が子分の死体を見て帰り、お柳は茂助をいくじなしと責め市を泊めて島送りの亭主(村井国夫)を待っていて、伝兵衛は代官の妾を嫁にして十手持になったと言った。
伝兵衛が茂助から子分の死体を調べ、妻(絵沢萌子)に急かされ市が犯人にしろと言い、伝兵衛と茂助らが店に来て茂助が市の杖を隠し、市を捕らえて牢に入れた、牢で座頭市に世話になった者がいて牢仲間で市の腕を見て牢から逃げるのを手伝った。
亭主が島抜けしてお柳に来て話し、聞いた茂助は島抜けと知り伝兵衛に知らせると伝兵衛らはお柳と亭主を捕らえ茂助は約束と違うと言い、そこに市が来て茂助から杖を受け取り伝兵衛一味を皆殺しにした。
脚本:岩元南・中村努
監督:太田昭和
- 19:1977.2.14:越後から来た娘
-
座頭市(勝新太郎)は飲屋で女将(楠田薫)から馬をカタに酒を飲む吾一(火野正平)に会い、八州宿と追い出され会ったおさよ(ジュディ・オング)から越後から来て10両で売られ掛け稼ぎに出た吾一を探していると聞いた。
代官・柳田(岸田森)が権六(中台祥吉)に一帯の縄張りの代わりに500両を求め、権六らは盗賊で稼ぐが御用金で刻印入りの小判で、手下に下手人作りを命じ、市は賭場で稼ぎ刻印入りの小判を渡され、吾一に渡した。
吾一はおさよの為に直ぐに小判を使い、役人に捕らわれ痛められた、女将が市に助けを求め、市は役人に権六から出た小判と言うが襲われ逆に斬り、女将が吾一を助けた。
権六はおさよを代官・柳田に連れると、市が来ておさよを助けて権六と柳田を斬った。
脚本:久貴千賀子・下飯坂菊馬
監督:黒田義之
- 20:1977.2.21:いのち駒
-
座頭市(勝新太郎)は藤兵衛(須賀不二男)を訪ねると親分(小松方正)の代指し・源三郎(石橋蓮司)と賭け将棋をしていて、封じ手を宿泊中のお由起(松原智恵子)に預け、翌日勝負に敗れ借金で首を吊った。
親分は次ぎに大野屋(高野真二)との勝負に天野宗達(内藤国雄)を呼んだと源三郎に伝え負けるとお由起を貰うと言い、源三郎はお由起に次の相手は天野宗達と告げた。
市は藤兵衛の封じ手をお由起が預かった事が疑問で、手下・勘助(松山照夫)から親分の揉み療治をさせて貰い封じ手以降に不利になったと言った、源三郎対宗達の三番勝負の1局目が始まり300両を賭けたが宗達が勝ち、2局目は翌日になった。
源三郎は宗達と元は同門でお由起を双方が好いていたが源三郎と逃げた事で、お由起に賭け将棋から足を洗う条件で宗達に負ける様に頼んでくれと言い、お由起が宗達に頼むとよいでしょうと答えた。
2局目は源三郎有利で封じ手になりお由起が預かり、源三郎は見て宗達が負ける様に指しておらず、市は宗達にお由起が源三郎と言うと知っており、宗達がヤクザに襲われ手に怪我をして市が助けるが大野屋は対局は無理と思った。
対局場に板で宗達が運ばれ市が代指しで続け宗達が勝ち、宗達はお由起にすまんと言うと立派でしたと答えた、ヤクザは源三郎とお由起の始末を謀るが市が来て一味を斬り殺した。
脚本:村尾昭
監督:南野梅雄