座頭市:3

7:座頭市あばれ凧

功名心からやくざ清六(江田島隆)は鉄砲で座頭市(勝新太郎)を撃ったが周囲は証拠がないと信じなく、市は救い治療費までおいて行った江戸の花火師の恩人を追い鰍沢へ向かった。
道場破りが道場主(春日清)を脅すが市が懲らしめた。
鰍沢は富士川を挟んで、津向の文吉(香川良介)と竹屋の安五郎(遠藤辰雄)が対立していた。
文吉は、江戸の花火師久兵衛(左卜全)を招き、姉娘・お国(久保菜穂子)を迎えにやったが、市は鰍沢に着いて恩人がお国と知り礼を言い、妹・お志津(渚まゆみ)に逢い、按摩として文吉の家に厄介になり下働きのお峰(近江輝子)から事情を聞いた。
吃安こと安五郎は、妹・お仙(毛利郁子)が代官の妻という立場で、金儲けのために文吉の縄張りと川渡し役を狙っていたが、文吉は断り血気の乾分をなだめていた。
文吉の家に厄介になっている市にお国は親切だったが、市は安五郎と代官の繋がりを気にしていた。
市は川を渡りお仙の按摩として安五郎の家に入った。
息子・清六が文吉の家に帰って来たが親姉妹に迷惑をかけていたがお国と文吉は迎えた。清六は戻った市をみて驚いたが、盲目の市は清六を射った人間だと判らなかった。
安五郎一家は浪人・添田源造(玉置一恵)達(薮内武司・三木正八郎・松田剛武)を仲間に入れ、清六を罠にかけて捕え縄張りか清六の命かとかけあうが文吉は冷静だった。
市は密かに川を渡り待ち構えた安五郎一家の子分を斬り、安五郎宅に入り安五郎とお仙を脅し清六を救出したが、清六は自分で逃げ仕返しをする騒いだ。
安五郎は按摩が座頭市と知り、代官名で文吉を騙して呼び出し座頭市だと知らせ、文吉は訳があると考え、事情を明かさずすぐに立たせた。
<以下、隠し字>
市が去るや、安五郎一家が用心棒・天玄(五味龍太郎)を先頭に文吉宅に殴り込みし清六と文吉達は倒された。
花火の音で異常を知った市は戻り、浪人達から真相を聞き斬り捨て、市は川を渡って安五郎一家に向かい、そして・・・・・・・・・。


監督:池広一夫
脚本:犬塚稔
原作:子母沢寛
出演者:勝新太郎・久保菜穂子・渚まゆみ・五味龍太郎・玉置一恵・遠藤辰雄・香川良介・左卜全・江田島隆・近江輝子・毛利郁子・春日清・薮内武司・三木正八郎・松田剛武
制作年:1964年


感想: シリーズ第7作。
市を狙う者、知らず親切にする者、知らない悪党たち、知っている悪党達。
皆が混ざって、話が進み、市を匿うという事が利用された。
花火も作品に溶け込んでいる。

8:座頭市血笑旅

座頭市(勝新太郎)は駕篭に誘われ乗ったが、市を追う五人組・文珠の和平次(石黒達也)・島蔵(藤山浩二)・猪蔵(橋本力)・菊蔵(北城寿太郎)・鶴蔵(千石泰三)は先廻りし、市は急病の赤ん坊を抱いた若い女・おとよ(川口のぶ)に駕篭をゆずり、間違って刺された。
おとよの死を知った市は庄屋喜右衛門(南部彰三)から道中手形と借用証書から亭主・信州宮本村の宇之助(金子信雄)まで駕かき土平(沖時男)と馬助(越川一)と赤ん坊を届けることにした。
五人組は市に襲いかかり居合で一人を斬られ、土平・馬助は退散し市は赤ん坊と二人旅を続け、殺し屋は顔みしりの麻古女の半五郎(杉山昌三九)を加え、案山子の服のおしめを替えている市に斬りかかるが、半五郎一家の多くを斬った。
一夜賭博のいかさまを見破り金を作った市は、宿で女を子守に買い、翌朝田舎侍・野呂平太夫(伊達三郎)に追われる女巾着切り・お香(高千穂ひづる)を助け、子守り代りに雇った。
お香は市と口喧嘩しながら旅をし、お香が赤ん坊を二階からおしっこさせたのが、相撲取り小手丑(天王寺虎之助)にかかり、あやまる市と乱闘をしたが、四人組が来て仕込杖を持たない市に襲いかかるがお香の機転でのがれた。
<以下、隠し字>
市とお香が離れ難くなりお香は掏摸をやめるといい、市はお香と赤ん坊との別れをおしみ、宇之助を訪ねるがヤクザの親分となっていて何もしらないと市を追い払った。
宇之助の扱いに怒った市は、赤ん坊をおとよの遺髪と菩提寺瑞光院の和尚了海(加藤嘉)にさとされ預けた。
寺の外で宇之助と殺し屋・和平次らが竹槍の先に火をつけ市を包み襲うが火と刃の中で四人組と子分を倒した市は、宇之助の命は許した。


監督:三隅研次
脚本:星川清司・吉田哲郎・松村正温
出演者:勝新太郎・高千穂ひづる・金子信雄・加藤嘉・天王寺虎之助・北城寿太郎・石黒達也・藤山浩二・橋本力・川口のぶ・沖時男・越川一・杉山昌三九・千石泰三・南部彰三・伊達三郎
制作年:1964年


感想: シリーズ第8作。
めくらと赤ん坊との取り合わせは異色だ。
これに女掏摸が加わりる人情噺の雰囲気もある。

9:座頭市関所破り

座頭市(勝新太郎)は正月に妙義山に向かい、途中で新助(千波丈太郎)と言う旅人から手紙を笠間宿の旅籠・むさしやの女中・お仙(滝瑛子)に届け、相部屋で行方知れずの父を訪ねる・お咲(高田美和)と花駒太夫(毛利郁子)に会った。
土地の親分・島村の甚兵衛(上田吉二郎)は芸人たちにショバ代を四分六で要求し、宿の芸人達は不満だが代官・加島五郎太(河野秋武)の達しで何も出来なかった。
むさしやに乗り込む一味を市は追い払い、お咲は江戸へ強訴して行方不明の父の消息を伍助(沖時男)と探しており、むさしやに新助が舞いもどった。
市は甚兵衛の賭場でいかさまを見破り、甚兵衛に会い新助の殺害計画を聞き、加島の用心棒・沖剛之助(平幹二朗)と出会った。
父を探しに篠田村に出かけるお咲は襲われたが、追っていた市が助け帰る様に勧め、宿に帰った市を沖剛之助が待っていて市と話しをするが勝負を望んでいた。
市は居酒屋で会った老人・儀十(伊井友三郎)が気になった。
お仙の付き添いで市は新助を訪ねたがつけられ、伸助は殺され死ぬ間際に代官と甚兵衛の命令で、江戸へ強訴したお咲の父を殺したが約束は被られた言うが、市はお咲に真相を打明ける勇気はなかった。

<以下、隠し字>
伍助から父の死を聞いたお咲に市は話し村に帰る事を勧め、儀十に供を頼むが金で裏切り甚兵衛一味に襲われ関所に連れ去られた。
それを見ていた子供から聞いた市は儀十の裏切りも知るが斬れなく、市は関所に向かいお咲を助け出し、市は沖剛之助と立ち会い斬り弔い、次に代官加島や甚兵衛らを斬った。
市は初日の出をひとりで迎えた。


監督:安田公義
脚本:浅井昭三郎
原作:子母沢寛
出演者:勝新太郎・高田美和・滝瑛子・平幹二朗・河野秋武・伊井友三郎・毛利郁子・千波丈太郎・上田吉二郎・沖時男
制作年:1964年


感想: シリーズ第9作目。 悪玉と、それに苦しめられる善人と、悪人に利用される者が入り交じる。
親子愛の娘と供に市の思い出もあったが、踏みにじまれた。
角兵衛獅子の2人の子供が救いとなっている。

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