新・座頭市1:1

1:1976.10.4:情けの忘れ雛

座頭市(勝新太郎)のいた茶店の前で関八州廻り付き(上野山功一)が旅人を斬り、市はその男から死に際に野沢屋・お加代(飯島洋美)にひな人形を預かった。
市は子娘に野沢屋に案内されおしの(いしだあゆみ)に会いお加代の母で1人で店をやっていて、土地のヤクザ・半助(松山照夫)がいて、市は野沢屋に宿をとった。
市は辰蔵(藤岡重慶)に按摩に行き、おしのの亭主・弥吉が橋本の権造を斬り逃げてから辰蔵の縄張りが増えたと聞き、宿でお加代にひな人形を渡し、おしのから弥吉は3年前に堅気にさせる条件で斬り逃げていると聞いた。
半助がおしのに辰蔵の女になれといい、市はおしのに弥吉が関八州廻り2人に斬られてひな人形を預かった事を伝え、お加代の為に生きる様に言った。
関八州廻り(江見俊太郎)と付き人に辰蔵が金を渡し女を求められ、半助に女探しと博打で稼ぐ様に指示したが、博打のいかさまは市に見破られ、おしのを攫った。
辰蔵がおしのを縛り言い寄るが、床下から市が忍びこみ弥吉のおかげで大きくなったと言い斬り、押しかけた手下らも斬り、おしのとお加代と旅に出るが、途中で別れて関八州廻り2人を斬った。


脚本:東條正年・沖守彦
監督:勝新太郎

2:1976.10.11:父恋い子守唄

座頭市(勝新太郎)は死に際の母から息子・市左衛門(羽田勉)を追分に連れて行く事を頼まれ旅をして老人・首の弥五郎(辰巳柳太郎)に会った。
宿場で紬屋おりん(宇都宮雅代)から誘われたが子連れで断り、円造(岸田森)に襲われ座頭市と知られ、弥五郎が浪人(新田昌玄)の追われ怪我をしたのを助けると紬屋につれて行かれ、おりんから市は浪人は兄で父は弥五郎を狙ったが途中で病死したが兄はまだ立ち直っていないと聞いた。
市は、市兵衛の番頭(勝部演之)が市左衛門を探すと知り、弥五郎の家に3人で行くが兄が番頭と円造を使い子を攫い弥五郎を呼び出すが、市が行って番頭と円造を斬ると、弥五郎が来るが浪人をおりんの兄と知らせて斬った。
市は市左衛門を弥五郎の子として育ててくれと頼み、旅立った。


脚本:佐藤繁子
監督:太田昭和

3:1976.10.18:瀬来の別れ花

座頭市(勝新太郎)は舟で曲駒師・喜三郎(津川雅彦)とおえん(十朱幸代)夫妻の芸を見るが市も上手で、付いて武士が喜三郎を襲い助け斬るとお妙の名を言って死んだ。
数ヶ月後に潮来で市が女郎屋に引き込まれ、お妙(津田亜矢子)が相手するが病気でおえんが代わりに来て会い、文五郎(江幡高志)の子分(石橋蓮司)と子分になった喜三郎がお妙をいじめ病死させた。
市はおえんから喜三郎がお妙を女郎屋に連れて来た関わりを話し、市は文五郎の賭場で稼ぎ蝶々のおきん(絵沢萌子)のいかさまを見破り、帰りを襲われるが追い返し喜三郎はすご腕と知り、市はその金で文五郎からおえんを身請けした。
喜三郎はおえんに市の杖を盗まそうとするがおえんは恩人だと断り、市から身請け状を渡され身の上を話した。
市が去り、喜三郎が追うが市に斬られ、文五郎一味が襲うが市に斬られ、追って来たおえんが死んだ喜三郎を見つめた。


脚本:下飯坂菊馬
監督:井上昭

4:1976.10.25:月の出の用心棒

座頭市(勝新太郎)は渡世人らの襲われ、宿場の料理屋で矢吹源太郎(石原裕次郎)に見られる中で渡世人らに吹き矢で狙われるが避け、出ると矢吹が腕試しに襲い、市が按摩で巴屋に行くと矢吹が待ち酒を飲み交わした。
渡世人らは市が笹岡(永井柳太郎)一家に入る前に狙い、矢吹に連れ妹の女郎・美緒(吉沢京子)から何故沢田(佐々木功)を助け無かったかと責められ、矢吹は市に沢田が女を取引に使うと言い、沢田と美緒は藩を出奔していた。
矢吹は美緒を請け出す費用を聞き渡世人らは用心棒に誘い、沢田は美緒と逃げるがまだ稼げると考え、矢吹が目が見えないと知っていた。
市が笹岡一家に行くと、刀根崎一家との争いを聞き、矢吹は別の女といた沢田から美緒の居場所を聞き斬り、刀根崎から金を借り美緒に渡し、笹岡を斬った。
市は刀根崎を斬り、矢吹を斬り倒した。


脚本:池田一朗・岩元南
監督:太田昭和

5:1976.11.1:牢破りいそぎ旅

お道(田坂都)は仙太(織田あきら)と一緒に逃げたがったが、仙太は身分の違いで躊躇した、座頭市(勝新太郎)は病になり役人(下元勉)とヤクザの親分(深江章喜)捕らわれたが直り、牢を抜け役人嫌いの鍛冶屋に助けられお道の嫁入りが可哀相と聞いた。
庄屋の婚礼に芸人らが招かれ、市は相棒のいない漫才師(佐山俊二)の相手になり関所を越えて、仙太に会うと送る長持ちを作っていたが市に人が入れると聞くとお道を入れて逃げる事を考えた。
市が花嫁行列と揉めていると、仙太は長持ちにお道を入れて逃げ、市は役人と親分らを斬り、仙太とお道は去った。


原作:宇野信夫「因果小僧大之助」
脚本:中村努・岩元南
監督:太田昭和

6:1976.11.8:師の影に泣いた

座頭市(勝新太郎)は渡世人・島吉(和崎俊哉)らに襲われるが、市の師匠(丹波哲郎)が仲裁してそこは治まった。
師匠は市を家に連れ、目の悪い娘・弥生(柴田美保子)に会い、師匠は市に仕官の当てを伝え、出かけるが翌日までの金の調達を要求されヤクザの富岡(久里四郎)に手段を問わず工面を頼んだ。
市と弥生に島吉が来ると、弥生が庇い島吉がサイコロ勝負に変え、勝手に負けたと言って去った。
富岡は師匠の弟子の1人を誘拐して親に金を要求し、師匠は弥生に市との仲を許さず、師匠は富岡が誘拐を謀ったと知り驚くが、富岡は無理を頼んだと誘拐した親子を斬り、師匠は富岡を斬った。
市は仕官を金で買おうとした師匠と立ち合い、斬った。


脚本:犬塚稔・岩元南
監督:南野梅雄

7:1976.11.15:わらべ唄が聞える

座頭市(勝新太郎)はわらべ唄を唄う気が触れたような女・おつや(新藤恵美)を見かけ、雨宿り先で男(殿山泰司)と会うが去りおつやが来て、市とおつやは宿場に行った。
渡世人・伝兵衛(草野大悟)らがヤクザ・親分(名和宏)に座頭市を討って名を上げる相談をして、殺し屋(殿山泰司)が伝兵衛に座頭市を討つ準備金を貰い急がされ、雇った浪人は市に斬られた。
親分は座頭市を殺して名を上げたいというが、あんまに来た市は一味の攻撃を避け、おつやは市の隙を探すが無くばれたと思い、市はおつやを舟で運ぶが元の浜に戻り、おつやは伝兵衛から頼まれ金を貰うと言うが、市は殺した後に自分らも殺されると言った。
殺し屋が座頭市を殺したと伝え、親分や伝兵衛が浜に行くと市は倒れていて、おつやが金を求めると命を狙われ逃げて、市が言った通りだと起きて親分や伝兵衛一味を全て斬り倒した。
あんまは市と別れ旅を続けた。


脚本:佐藤繁子
監督:勝新太郎

8:1976.11.22:雨の女郎花

川舟が着きお紋(浅茅陽子)が男を待つおしんに来ないというのを、座頭市(勝新太郎)は見て、宿でお紋が市の相手をし、川止めになり客を引き止める為と言い身の上話しをしたが、ヤクザ・籐三郎(沼田耀一)の配下の権治(長谷川明男)がお紋を訪ねるが相手にされず市に斬り掛かるが追い出された。
市は中沢(峰竜太)の妻・ともえ(香野百合子)の按摩に呼ばれ、市を追っていた権治が中沢を見てお紋に2年前の男で妻がいるとと告げ、お紋は会うが帰り市になぐさめられ泣いた。
川止めがとけ、津久井(横森久)ら武士が籐三郎に中沢探しを頼みに来て、権治から聞き行くと中沢は妻を残し逃げ、お紋を尋ね密書を預け捕らえられ、お紋は市に相談した。
籐三郎や津久井は座頭市と知り計略し、権治がお紋を密書で中沢が殺されると呼び出し、お紋は出かけ一味にあうと市が来て中沢に約束を破ったから殺されて仕方ないと一味を斬り殺し、お紋は密書を残し去り中沢は受け取った。
お紋は元の生活に戻った。


脚本:猪又憲吾
監督:森一生

9:1976.11.29:見えない涙に虹を見た

今田(原口剛)ら渡世人に追われ、為吉(伊丹十三)が妻・おその(音無美紀子)を連れ逃げ、座頭市(勝新太郎)に会い幼馴染みのそば屋の息子とやはり皆から好かれた娘・おそのと言った。
店に今田らが来て皆から財布を奪い、市が黙って追い取り返し、おそのは市に取り返した礼と為吉が博打で店を失い、金がなく渡世人に追われていて笠間には帰れないと伝えた。
翌朝渡世人がおそのを捕らえ売ろうとするが市が助け、相談された親分(北村英三)は座頭市と知り討とうと考え、為吉を利用するため呼び出し、為吉はおそのを縛り市を騙して今田らと親分の所に連れたがおそのが無事と知った市は、一味を全て斬り殺した。
市は為吉に斬られる恐怖を味あわせ、おその助け、生まれ変われと言った。


脚本:中村努
監督:田中徳三

10:1976.12.6:娘が泣く木枯らし街道

座頭市(勝新太郎)は宿で女中(沢田雅美)と話し店主(織本順吉)が女郎屋と賭場と高利貸しをしていると言い、百姓が妻の病気と飢饉で娘・おみつ(今出川西紀)を奉公に出し金を受け取るが、賭場に誘われ全てを失い首を吊った。
座頭市は店主から弔い料を取り、市とおみつは村に戻るが母は売られた後で、訪ねまわりヤクザの親分の妾となっていると知り訪ね、親分・伊三郎(森幹夫)は市を狙い、母・千寿(川口敦子)は妾になり帰れないと言った。
おみつは市について旅をすると言うが、伊三郎一味が襲い市は皆斬り殺し、市はおみつから去り、千寿もおみつから去った。


脚本:新藤兼人
監督:太田昭和

このページの先頭へ